コーヒー豆の品種(アラビカ種・ロブスタ種・リベリカ種)

コーヒー豆の品種(アラビカ種・ロブスタ種・リベリカ種)

8月 16, 2019

コーヒー豆は非常に多くの種類があり、普段飲むコーヒーがどんな豆を使用しているのか気にすることはほとんどないと思います。

例えばセブンイレブンで飲むコーヒーは、厳選された「アラビカ豆100%」を使用していたり、缶コーヒーの多くは「ロブスタ種」の豆を利用しています。

今回は
「そもそもコーヒ豆ってどんな品種があるの?」
「品種によってどんな味の違いがあるの?」

などコーヒー豆の品種の違いやその特徴をお話します。

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コーヒー豆の品種

コーヒー豆3粒

コーヒー豆は「コーヒー三大原種」と呼ばれる3つの品種に分けられています。

この3種類をざっくり説明すると、

  • アラビカ種
    一般的に多く飲まれている
  • ロブスタ種(カネフォラ種)
    インスタントコーヒーなどに配合されている
  • リベリカ種
    生産量が全体の1%にも満たない

3種類の中で日本へ入ってくるコーヒー豆は「アラビカ種」と「ロブスタ種」の2種類に分けられます。

アラビカ種の特徴と主な品種

  • エチオピア原産
  • 香りと味わいに優れ「スペシャルティコーヒー」などで高く評価されている
  • 世界で生産される約7割を占めている
  • 日本へ入ってくるコーヒー豆の6割を占めている
  • 酸味が強くフローラルな香りが特徴

日本でコーヒー豆を販売しているお店は、ほとんどアラビカ種にあたります。

品種の特徴

栽培に手間がかかり収穫量が少ない

栽培の場所標高1000~2000mの熱帯高地
栽培に適した気温年間気温が18度〜21度
病気サビ病、霜、乾燥、気候変動に弱い
収穫できるまで約5年

アフリカのエチオピアが原産のアラビカ種はコーヒーの天敵である、サビ病などの病気や、気候変動に弱く収穫量が少ないため、栽培にかなりの手間が掛かります。

発芽から収穫できるまで5年ほどかかると言われ、品種改良が盛んに行われてきました。

23度を超えると果実の発育・熟成が過度に進んでしまいコーヒーの味が落ちてしまいます。

以上のことからアラビカ種の栽培と収穫には多くの労力が必要です。

アラビカ種の代表的な品種

アラビカ種のコーヒー豆は「ティピカ種」「ブルボン種」が二大品種といわれており、同じアラビカ種でもそれぞれの品種ごとに味や香りは少しずつ変わってきます。

香りや質が優れているこの2種ですが、病気や気候に対して耐性が取れていないため、木そのものが減少しています。

そのため現在では収穫量の多い「カツーラ種」が主流になっています。

下記はアラビカ種の代表的な品種です。

ティピカ種

アラビカ種の原種ともいわれ、アラビカ種の中で最も古い品種。

耐病性も低く生産性が低いことから、市場への流通数は全体の0.01%と極めて少なくなっている。
そのため、現在では品種改良に使われている。

また 、ほかの品種と混在して流通している場合が多いので単一品種として流通しているものはほとんどない。

豆はやや細長く、香りが強く上品できれいな酸味と甘味が特徴。
ブルーマウンテンもティピカ種。

ブルボン種

ティピカ種の突然変異種。

イエメンからマダガスカル島(現レユニオン島)に移植されたものが起源とされ、現在のブラジルコーヒーの原型。
樹が弱く豆が小さく隔年収穫のため、収穫量の安定性が低く品種改良が進められている。

現在の市場流通数はティピカ種同様、極めて少ない状況。

まろやかな甘味と濃厚感で舌触りも軽く、とても飲みやすいのが特徴。

カツーラ種

1915年にブラジルでブルボン種の突然変異で発見されたコロンビアなどの主力品種の一つ。

ブルボン種・ティピカ種に比べると比較的収穫量が多く、グアテマラなど中米で広く栽培されている。
ブルボン種と同様、隔年収穫だがブルボン種よりも直射日光やサビ病などの病虫害に強く、低温にも耐えるとされている。

ブルーマウンテン種

ジャマイカに移入され栽培されている高級品種。

現在はケニアやパプアニューギニアなどにも移入されている。

ここでいうブルーマウンテンはコーヒー豆のブランドとは意味が異なり、あくまで植物の品種の名前であってブランド名ではない。

豆は大粒で、香りはジャマイカのものほどではないが、さっぱりとしたコクとマイルドな酸味があり高品質と言われている。

コナ種

ハワイに移入され栽培されている高級品種。

高級である理由は品質などではなく、ハワイでのコーヒー生産が減少していること、先進国であるため人件費が高いことなどが原因。

香りが優れており、すっきりとした酸味とコク、柔らかな苦味があり風味も良く、中深煎りからやや深煎りがコクを引き出せる。

ケント種

1920年頃インドでケント氏が発見・育成した、ティピカの突然変異種。
ティピカとは反対に病害に強く、収穫量が非常に多いのが特徴。

現在でもインドやタンザニア、ケニアなどで栽培されている。

酸味は控え目でどっしりとした味わい。

強い良質な酸味があり渋みが若干強いのが特徴。

スマトラ種

インドネシアのスマトラ島、マンデリンで発見されたティピカ系の品種で、現在はマンデリンと呼ばれることのほうが多い。

豆が大きく、生産性も高く、スマトラ式という独自の精製方法で精製される。

酸味は控え目、どっしりとしたコクと苦味、香ばしい香りが特徴。

ゲイシャ種

エチオピアのゲイシャが原産で、ほとんど改良されていない人気のある品種。
中南米で多く栽培されている。

アラビカ種の特徴である、収穫量が非常に低いことが影響し、ほとんど栽培されなくなった時期があった。
しかし、パナマのエスメラルダ農園がゲイシャ種を育て、大会で有名になったことから、現在では高級品として名を馳せている。

味わいはさわやか酸味と華やかな香りが特徴で、とても個性的。

ムンドノーボ種

ティピカ種の突然変異種であるスマトラとブルボン種の自然交配種でブラジルで発見された。
ブラジルで最も広く栽培されている品種の一つ。

病害虫に比較的に強く生産性が高く、甘味・コク・酸味のバランスがよく飲みやすいのが特徴。

カトゥアイ種(カツアイ)

カツーラ種とムンドノーボ種を交配したもの。
ブラジルで開発されたブラジルの主力品種の一つ。

樹高が低く収穫しやすいこと、耐久性に優れ病害虫に強く収穫量が多いことから中南米で広く栽培されている。
カトゥアイ種は他の品種と配合されて売られていることが多い。

味わいはやや単調だが、全体のバランスが取れていて軽くて飲みやすい。

ロブスタ種の特徴

  • コンゴ原産
  • 日本へ入ってくるコーヒー豆の4割がロブスタ種
  • 酸味がほとんどなく強い苦みと麦茶に似た香ばしいが香りが特徴
  • ブレンドやインスタントコーヒー、缶コーヒーに使用される
  • カフェイン量がアラビカ種の2倍

ロブスタ種は特有の泥臭さを持っており、ストレートで飲むことはあまりありません。

品種の特徴

育てやすく収穫量が多い

栽培の場所標高300~800m
栽培に適した気温高温多湿な環境に適応
病気病気に強い
収穫できるまで約3年

コンゴ原産のロブスタ種の主な産地はブラジル、ベトナムやインドネシアなど。

アラビカ種がデリケートなのに対し、ロブスタ種は病気に強く低地でも栽培可能なため、育てやすい品種とされています。

収穫量も多いので生産性に優れており、アラビカ種よりも安価に取引されています。

低品質?まずいって本当?

ロブスタ種の豆は基本ブレンドされていることが多いのですが、ストレートで飲むとビターな香りと強烈な苦味を感じ飲めないという方が多いそうです。

しかし、その苦味が好みの方もいらっしゃいます。

コーヒー豆を販売しているお店によっては、2~3割ほどブレンドして販売しているところもあります。

ブレンドすることで、香りと苦味をほどよく引き立たせてくれます。

リベリカ種の特徴

  • リベリア共和国原産
  • ごく一部の限られた地域でしか栽培されていない
  • 収穫しずらく品質も低い
  • 日本で飲まれることはほぼない

品種の特徴

日本ではあまり流通がない

栽培の場所標高200m以下の低地・平地栽培が可能
栽培に適した気温高温多湿な環境に適応
病気サビ病には弱い

リベリカ種は西アフリカのリベリア共和国が原産ですが、現在はリベリアではほとんど生産されていません。

ベトナムやフィリピン、マレーシア、インドネシアなどのアジアで栽培されるようになりました。

ロブスタ種と同じく、過酷な環境でも育つ強さを持っています。

ただ、コーヒーの天敵であるさび病には弱いです。

品種の固定がしにくくコーヒーチェリーが成熟するまでに時間がかかる、大木になるので収穫しづらい、生産量が少なく品質も低いことから、主に現地で消費され日本にはほとんど入ってきません。

まとめ

アラビカ種は世界で生産されているコーヒーの7割を占め、その香りや味わいから多くの人に愛飲されていますが、病気への耐性や栽培の手間がかかります。

反対に、ロブスタ種(カネフォラ種)は病気にかかりにくく栽培のしやすさから手に入りやすいですが、味への課題があったりと、種類により様々な課題があるようです。

今後、コーヒー豆を買う際やコーヒー飲むときに種類や特徴を知ることでより一層味わいの違いを感じたり楽しむことができそうです。