コーヒーには、焙煎前に乾燥や脱穀の精製の工程があります。
実は精製方法がコーヒーの味に与える影響は大きく、自分の好きなコーヒーはどの精製方法か、を覚えておくとよりコーヒーの世界が広がります。
それぞれの精製方法は「コーヒーチェリーをどこまで処理するか」に関わってきます。
なので今回は、
- コーヒーチェリーの構造
- コーヒーの精製方法と特徴
- 精製方法による味の違い
を写真を使って分かりやすく解説します。
コーヒーを購入する時は、ぜひ精製方法もチェックしてみてください!
3つの精製方法のコーヒーの味比べをした動画も見てください!
コーヒーチェリーの構造
コーヒーチェリーとは、コーヒーの木の実。この中に種子(コーヒー生豆)が通常2粒入っています。
- シルバースキン(銀皮):種子の外側の薄い層
- パーチメント(内果皮):種子の外側の保護層
- 果肉とミュシレージ:パーチメント外皮の間にある、糖分を含む粘着質の層
精製工程では、この種子に覆われているものを取ったり、洗ったり、乾燥・脱穀します。
それでは、どのように精製されていくのか紹介します。
コーヒーの精製方法
コーヒーの精製方法は数多くありますが、その中でも多く行われている「ナチュラル」「ウォッシュド」「パルプドナチュラル」を紹介します。
簡単にまとめると以下の図のような工程です。
乾燥後、最大2か月ほど寝かせてから脱穀工程に入ります。
脱穀後は、豆の品質ごとに機械や手作業で振り分けられて出荷されていきます。
ウォッシュド(水洗処理)
ウォッシュドとパルプドナチュラルは、水で洗って乾燥させる「ウェットプロセス」によって精製されます。
ウォッシュドの場合、水洗い後にパルピングマシンと呼ばれる外皮と果肉を除去するマシンを使います。この工程で、熟していない豆など欠点も取り除くのです。
その後、水に浸けて12~72時間発酵させ、ミュシレージを分解して落とします。そして4~10日間乾燥させ、欠点豆を除去し脱穀工程へ。
脱穀機ではパーチメント、シルバースキンを取り除き生豆となります。
パルプドナチュラル(ハイブリッド型)
パルプドナチュラルの場合、パルピングマシンで外皮と果肉を除去した後、ミュシレージが付いたまま天日乾燥させます。(7日~12日)こちらも、熟していない豆などの欠点豆を取り除くことができます。
その後、脱穀機でパーチメント、シルバースキンを取り除き生豆となります。
パルプドナチュラルは、中米ではハニープロセスと呼ばれています。
ナチュラル(天日干し)
ナチュラルは、水で外皮などを付けたまま乾燥させる「ドライプロセス」によって精製されます。
ナチュラルは、軽く水で汚れや異物を落とした後、パティオやアフリカンベッドで約2週間乾燥させます。
その後、脱穀機で外皮や果肉、パーチメント、シルバースキンを取り除き生豆となります。
精製方法による味の違い
ウォッシュド、パルプドナチュラル、ナチュラルなどの精製方法によって味の違いもでます。
精製方法 | 味の特徴 |
---|---|
ウォッシュド | クリーンでスッキリ |
パルプドナチュラル (ハニー) | 透明感や甘みがでる 個性も感じられる |
ナチュラル | 個性がしっかりでる 果実感のある香り |
ウォッシュドの場合、乾燥工程の前にミュシレージまで落とすため、スッキリした味わいに。
パルプドナチュラルは、ミュシレージは付けたまま乾燥するため、ミュシレージの甘みが豆に移り、甘みや個性が感じられる香りになります。
ナチュラルは、コーヒーチェリーのまま乾燥するため、果肉の甘み・香りが移り、しっかり個性が感じられる味わいになります。
好みの味と精製方法を覚えてもっとコーヒーを楽しもう
コーヒー豆は収穫した後の精製方法によって味に変化が起こります。
コーヒーの全てを感じたいときはナチュラル。すっきりと飲みたいときはウォッシュド。など精製方法による簡単な味の違いや特徴を覚えておくとコーヒーをもっと楽しめることでしょう。