最近ではコーヒー豆の袋にも「フェアトレード」という言葉が見られるようになりました。
「フェア」というくらいだから公正な取引が行われているんだろう。と漠然としたイメージを持っていたあなた。きちんと説明することはできますか?
また、フェアトレードセットで耳にするのが「ダイレクトトレード」です。
今回はフェアトレードとは何か。ダイレクトトレードとの違いをご説明します。
目次
そもそもフェアトレードとは?
コーヒーにおけるフェアトレードとは、公正で公平な貿易取引のことを指します。
例えば気候などが原因で栽培したコーヒーの質が例年より落ちても、取引の価格が大きく変動しません。最低価格が担保されている農家の方には安心の取引と言えるでしょう。
フェアトレードのメリット
フェアトレードのメリットは安定性です。
発展途上国に経済的格差を生まないための仕組みとも言えるでしょう。
売り手のメリット:農家の生活が安定する
公正で安定した収入が得られれば、生活が安定します。安定した生活をしている子供は労働を強いられることなく教育が受けられるので国の発展にも繋がることでしょう。
買い手のメリット:安定した量の確保と企業イメージが上がる
一方買い手も、生産の量に左右されず安定した金額で購入することができます。
また企業として公正な取引を行っている姿はイメージアップにもつながります。
フェアトレードのデメリット
高品質なコーヒーの育成につながらない
生産者目線で安定した買い手が決まっているということは、ある程度品質が落ちても買ってくれるということ。
更なるコーヒーの品質改善をしなくても出荷先が決まっているので、生産者の意欲が低下する可能性があるとも言えます。
ダイレクトトレードとは?
ダイレクトトレードは生産者から中間業者を介さずに直接取引することです。
生産者とバイヤーに強固な関係性が結びつきやすく、お互い質の高い取引を行いやすくなります。
ダイレクトトレードのメリット
ダイレクトトレードは生産者に直接お金が渡り、バイヤーへ直接コーヒー豆の情報が届くため透明感のあるやり取りが行えます。
バイヤーと生産者が直接取引できる
通常コーヒーは販売されるまで様々な仲介業者の手に渡ります。商社から仕入れたコーヒーは「どんな環境でどんな人が手掛けた」コーヒーかあいまいになりがちです。
栽培する人、販売する人が直接取引することで不当な買い付けのリスクを取り除いたり、更なる品質の向上を期待できるのです。
生産者に直接お金が入る
中間業者など人の手にかかる工数が増えるほど、手間代がかかりコーヒー自体の金額が上がってしまいます。
バイヤーと生産者が直接取引を行うことで、不要な手間代が省略され純粋なコーヒーの価格に抑えることができ、生産者に直接お金が入ることはメリットと言えます。
ダイレクトトレードのデメリット
不確定要素が多い
コーヒーは生もののため、天候などの要因でその年の収穫量や、質が変動してしまいます。そのためバイヤーが求める生産量に満たない場合も。
生産者も収穫してからでないと、収穫量や品質に不安が残ります。バイヤーは買い付けを行わない。という選択もあるので生産者からは不安が残ります。
フェアトレードとダイレクトトレードの違い。どっちが良いの?
公正な取引、取引に対する補償が担保されているのがフェアトレードで、生産者と対価や品質を直接取引するのがダイレクトトレード。ふたつの違いは安定感の違いとも言えます。
最低限、質や量が保証される分フェアトレードは、農家にとって収益が安定し、買い取る企業側も安定して販売することができます。
反対にダイレクトトレードでは生産者と販売者で強固な関係が築くことができるので、特に質を意識した取引が行えます。
生産者と販売者での思惑はそれぞれで、どちらか一方の取引が悪いということはありません。それぞれの取引の違いやメリットデメリットを覚えておくことでコーヒーをより深く知ることができるでしょう。