コーヒーの焙煎とは。自宅で焙煎する方法もご紹介

コーヒーの焙煎とは。自宅で焙煎する方法もご紹介

12月 2, 2019

コーヒーはコーヒーノキを育て、果実(コーヒー豆)を採取し生豆を焙煎(ロースト)します。

そして豆を挽いてフィルターで抽出して出来上がります。
コーヒー豆は黒っぽくつやつやしたものを思い浮かべる方が多いと思いますが、それは焙煎後の豆です。

コーヒー豆が収穫・精製された状態の生豆は薄黄緑色をしていて香りも青臭いため、まだ飲むことができません。
この生豆を焙煎することで、美味しいコーヒーが出来上がります。

焙煎とは

焙煎とは、コーヒーの生豆を火で加熱して煎ることを言います。

多くのご家庭では焙煎された豆を買い、ミルで挽いてコーヒーを淹れるか、挽いてある豆を購入し自宅で抽出してコーヒーを楽しむ方が多いと思います。
コーヒーは焙煎の仕方で味が様々に変化していくため、コーヒーを作る工程でとても重要です。

今回は、コーヒー豆の焙煎度合いや焙煎の方法、さらにご家庭での焙煎方法もご紹介します!

まずは焙煎度合いを知ろう

収穫したばかりの生豆は香りや味がほとんどしません。
そのため生豆を火で煎り、酸味・甘味・苦味を出します。

一般的に「浅煎り・中煎り・深煎り」まで8段階に分かれ、焙煎の時間や熱のかけ方で、コーヒーの味が大きく変化していきます。

日本では、ハイロースト・シティロースト・フルシティローストなどの中深煎りが好まれてきましたが、近年では浅煎りも飲まれるようになってきました。

ライトロースト

一番短い時間で煎る浅い焙煎がライトロースト。

見た目は黄色がかった茶色です。

生臭い香りがしてコク・香りがほとんど感じられないため、コーヒー専門店でもあまり見かけられませんし、一般的に飲まれることはほとんどありません。

ライトローストは、主にコーヒーの品質を確認するカッピングというテストの時に飲まれています。

シナモンロースト

見た目はシナモン色。
豆の水分が蒸発を始めている状態です。

こちらもライトロースト同様、生臭さが多少残るため飲用には適さないと言われています。

しかし、コーヒー豆に含まれているポリフェノールが健康に良いとしてお店で提供されることもあります。

上質な豆ではフルーティーな強い酸味と香ばしい香りが出てくるため、酸味の効いた風味を好む方はブラックコーヒーで飲むのがおすすめです。

ミディアムロースト

豆本来の味や香りを生かしたいときに適した中煎りの焙煎度合いです。
見た目は栗色。

酸味や風味をよく感じられ、ほのかに苦味も出てきて口あたりが柔らかく感じられます。

「アメリカンロースト」とも呼ばれていて、アメリカンコーヒーを淹れるのに適しています。
モカやキリマンジャロがおすすめの銘柄です。

ハイロースト

ミディアムローストに比べて香りが強くなります。
見た目はやや濃い茶褐色。

酸味や苦味・甘味など、全体のバランスが整っている焙煎度合いです。

カフェやご家庭で飲むレギュラーコーヒーはハイローストのものが多いです。

ブラジルやコロンビアがおすすめの銘柄です。

シティロースト

最も標準的な煎り方で、こちらもカフェやご家庭でよく飲まれます。
チョコレート色で酸味とコクがバランス良く感じられます。

酸味はやや抑えられ苦味の方が感じられます。

この焙煎度は多くのコーヒー豆に適用できバランスよく飲めます。
コーヒー初心者の方は、シティローストを味の基準にしやすいです。

フルシティロースト

ここでコーヒー豆の表面に、油が出てきて焦げ臭さも強くなってきます。
アイスコーヒー用の豆を炒るときはフルシティロースト。

コーヒーのコクが最も深く濃厚で、酸味は少なくなります。
苦味のほうがよく感じられて香ばしい香りが出てきます。

マンデリンやグアテマラがおすすめの銘柄です。

フレンチロースト

見た目は濃いチョコレート色をしています。
しっかりとしたコクと柔らかな苦味、独特の風味が感じられます。

カフェオレやウィンナーコーヒー、エスプレッソによく合います。

イタリアンロースト

深煎りの最上級で見た目はほぼ黒に近くなります。
表面はコーヒーの油でこってりテカテカしています。

焦げたような香りと刺激的な苦味が感じられ、濃厚な味わいです。

エスプレッソ、カプチーノ、アイスコーヒーに向いています。
苦味がお好きな方向け。

好みの焙煎度合いを知ろう

焙煎度合いは、コーヒーの味を決める重要な要素の一つです。

豆の種類が同じでも、焙煎の仕方によって味が全く変わってきます。

コーヒーの味は、

酸味・苦味・キレ・コク(深み)・甘み

があります。
焙煎では、酸味・苦味の二つを基準に飲み比べてみるといいでしょう。

まずは、中煎りのシティローストから飲んでみて、もっと苦みが欲しいか酸味が欲しいか決めましょう。

そこから、
苦味が欲しい方は「フルシティ⇒フレンチ⇒イタリアン」と焙煎を深くしていきます。
酸味が欲しい方は「ハイ⇒ミディアム⇒シナモン」と飲み比べていきます。

飲み比べていく中で、自分の好みの苦味・酸味のバランスを見つけてください。

焙煎度合いの好みが分かったら、違うコーヒー豆で飲み比べていくのも新たな発見があるかもしれません。

焙煎機について

たくさんのコーヒー豆を焙煎できる業務用焙煎機には3つのタイプがあり、それぞれにメリット・デメリットがあります。

直火式

豆の入ったドラムを回転させながらバーナーで直に火を加えていく。

直火なので高温焙煎でコーヒーの味と香りがストレートに出やすい反面、煎りムラができやすいのが難点。

熱風式

バーナーで熱した空気を送り込んで焙煎する。

短時間で豆を均等に焙煎できるが、香ばしい香りが弱くなる。

半熱風式

豆の入った回転ドラムを直火と熱風で焙煎。

温度管理がしやすいため初心者向きだが、高温のため表面が焦げやすい。マイルドで味にムラが出にくい。

自宅で使える焙煎機

自宅で本格的に焙煎を楽しみたい方は、家庭用の小型焙煎機がおすすめ

熱源は

  • 「電気」
  • 「ガス」
  • 「電気+ガス」

の3タイプがあります。

電気式は、安定した焙煎ができる一方、ガス式だと自分で火力の調整ができるのが特徴です。

しかし、初心者はガス式だと調整が難しいので、「電気」か、「電気+ガス」のものがおススメです。

焙煎方法も

  • 「手動」
  • 「電動」
  • 「自動」

があります。

一番お安いのが「手動のガス式」、
「自動式」は時間と焙煎温度を設定するだけなので簡単です。
焙煎タイプ・焙煎方法を決めて自分に合った焙煎機を探してみましょう。

おススメの家庭用焙煎機

手動・ガス式(お手頃価格・上級者向け)

こちらは、お値段が安いので手を出しやすいですね。

サイズもコンパクトでシンプルな作りになっていますが、温度調節や焙煎時間の調整を自分で行う為、ある程度慣れている方でないと難しいかもしれません。

手動・ガス式(初心者向け)

こちらは値段が少し高くなりますが、温度計、ホッパー、サンプラー、チャフコレクター付きでコスパが良いのでおすす。

動画でやり方も説明しているので初心者の方でも動画を見ながらできそうですね。
なにより自分で回しながら焙煎を楽しめるので満足感があります。

電気・電動式(初心者向け)

最大約250gまで焙煎可能。
温度も60度~250度を1度刻みで設定可能。
温度・時間設定ダイヤルで好みの焙煎温度・焙煎時間に設定できます。

時間は6秒~30分間まで6秒単位で設定できるので、回数を重ねて自分の好みの焙煎度合いを見つけることができます。

「取り外し式焙煎ドラム」で焙煎状態を肉眼で確認することができ、焙煎容器を本体から外せるので豆の投入、取り出しに便利で、掃除をしやすい構造になっています。

「チャフコレクター」で 散らかりやすいチャフ(薄い外皮)を焙煎中に焙煎ドラムから取り除き収集してくれます。

電気・自動式(初心者・プロ向け)

豆を投入し、ボタンを押すだけで自動で焙煎してくれます。
稼働音が静かなので、自宅でも安心して使えるのがうれしいですね。

12段階の細かな焙煎の調節ができ、連続焙煎可能のプロ仕様になっているため、業務用としても使われています。

また、10年間トラブルなしという方もいるほど耐久性が高いです。

焙煎の方法

焙煎前後のハンドピック

焙煎の前後には、コーヒーの味・香りの悪影響を及ぼす欠点豆を取り除く作業が必要です。

焙煎前は

虫食い豆、カビ臭豆、コッコ、黒豆、死豆、パーチメント

焙煎後は

割れ豆、貝殻豆、未熟豆、焦げ豆

焙煎前は、色やツヤ、形の違うものを取り除き、
焙煎後は焦げたもの、貝殻のような見た目のものを取り除きます。

黒い紙の上ですると見つけやすいです。

焙煎機を使った焙煎手順

  1. 生豆を計量してハンドピック
    量りを使い生豆を計量し、ハンドピックする
  2. 生豆を洗う
    ビニールの網に入れて流水で1分ほど優しく洗う
  3. 生豆を投入
    ドラム内が温まったところに生豆を入れる
  4. 水分を蒸発させる
    初めの3分は火力全開。豆に含まれていた水分が蒸発し、チャフが剥がれだす
  5. 加熱する
    豆が黄色くなりはじめ、表面にしわが寄ってきたらドラム内の温度を上げ、豆内部の圧力を高める
  6. 豆がハゼる(1ハゼ)
    パチパチと「1ハゼ」という音が聞こえてくるので、状態をチェックする
  7. 火力を調整する
    1ハゼとともに内部の温度上昇が早くなるので、焙煎機を操作しながら熱風の量を変えていく
  8. 豆がハゼる(2ハゼ)
    ここから秒単位で仕上がりのコクや香りが変わるので煎り止めを調整する
  9. 窯出し、ハンドピック
    目標の焙煎度合いに到達したら、豆を冷却槽に出し攪拌する。冷えたら取り出しハンドピックをしたら保管する

焙煎のポイント

  • 温度・・・焙煎中の細かな温度管理で仕上がりが変化する
  • 投入量・・・豆の量によって温度の管理方法が変わるため正確に計量する
  • ・・・生豆の色によって焙煎度合いを変える
  • ハゼ音・・・1回目と2回目があり、煎り止めのタイミングを計る
  • 時間・・・味と香りはわずかな時間で変化するので注意する

自宅で焙煎するには(手網焙煎)

手網焙煎に必要なもの

  • 生豆
  • ガスコンロ・・・家庭用
  • 手網・・・直径13センチ
  • ざる・・・焦げないステンレス
  • 軍手・・・焙煎中は200度近くなるため必要
  • ドライヤー・・・煎り止め後の豆を冷やす
  • ストップウォッチ・・・煎り止めのタイミングを計る

手網焙煎の手順

  1. ハンドピック後、生豆を洗う
    ビニールの網に入れて流水で1分ほど優しく洗ったら、タオルで水気を取る
  2. 生豆を網に入れる
    豆がふやけないように素早く手網に生豆を入れる
  3. 小さく左右に振り続ける
    コンロの火力は全開で一定にする
  4. コンロを中火にする
    豆を火に近づけすぎると焼きムラができやすいので注意
  5. 豆の水分が抜ける
    1~2分で豆の薄皮(チャプ)がはがれ始め、色が薄く付いてくる。常に左右に振り続ける
  6. 豆の色を揃える
    15分ほどでライトローストの焙煎度合いになる
  7. 【1ハゼ】が始まる
    20分ほどでシナモンローストの焙煎度合いになる
  8. 焙煎度合いを調節する
    1ハゼが終わるころにはミディアムロースト、ハイロースト程度になる
  9. 【2ハゼ】が始まる
    手網を5センチほど火から離す。2ハゼが始まるころにシティロースト程度になる。30分ほどでフルシティローストになる
  10. ざるに移して冷やす
    放置すると余熱で焙煎が進んでしまうので、すばやくドライヤーの冷風で冷ます
  11. 豆を選り分ける
    豆の熱が取れたらきれいに焼けていない豆などを取り除く

焙煎した豆は、1日ほど寝かせて置くと焦げ臭さがなくなり味が落ち着きます。

ですが、手網焙煎は業務用焙煎よりも劣化が早いため、1週間で飲み切ったほうが美味しく飲み切ることができます。

焙煎は奥深い

いかがでしたでしょうか。

コーヒー豆の焙煎には、様々な方法・手順があり、さらに自分の好みの焙煎度合いを選べるので、とても奥深いですよね。
焙煎されたコーヒー豆を手軽に楽しむのもいいですが、自分のお気に入りのコーヒー豆で好みの焙煎で作るコーヒーもまた格別だと思います。

「難しそう」「大変そう」と感じた方は、家庭用の手軽に焙煎できる機械も多数販売されていますので、ぜひ試してみてくださいね。